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探偵くんと鋭い山田さん
 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる

探偵くんと鋭い山田さん 1巻 探偵くんと鋭い山田さん 2巻 (既刊2巻)

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教室最後列、双子姉妹にはさまれた席で展開する探偵遊戯

「――そういうの 、、、、、、得意でしょ?」


 高校入学して間もない主人公・戸村 和とむら なぎは、入学式直後の自己紹介で父親が探偵業をしていることを口走ってしまったことから厄介事に巻き込まれる。
 同級生の女子から、彼氏の浮気相手を突き止めてほしいと強制的に頼まれて 、、、、、、、、しまったのだ。
 探偵の息子であって探偵ではない和は断ろうとするが、クラスの女子グループのトップである依頼者に逆らえば、和の青春さきゆきは暗い。
 そして途方に暮れる少年は、もう一つ悩みを抱えていた。


「ハゲワシってさー、なんでみんなハゲてるんだろ? 人間はハゲてるのとハゲてないのがいるのに。不思議だよね」
「授業中に変なことかないでよ……」


 教室最後列に座る自分の左右の席、それぞれ風変わりな双子姉妹。
 姉は山田 雨恵やまだ あまえ 。いつも寄りかかる場所を探しているような、だらりと気だるげな少女。
 妹は山田 雪音やまだ ゆきね 。むやみに博識だが頭の固いところがある優等生。
 仲がいいのか悪いのかよく解らない姉妹は、いつも和をはさんでわちゃわちゃと言い合い、じゃれ合い、気が散ることこの上ない。

 しかし、問題の浮気調査について雨恵に話した時、事件は思わぬ展開を迎える。
 そしてそれは、和のなりゆき高校探偵生活の始まりでもあった――


 ――無茶な浮気調査の依頼が、雨恵のひらめきで一変する第一話「探偵と象」
 ――絶版推理小説の犯人を、残されたカバーだけ 、、から突き止める第二話「史上最薄殺人事件」
 ――姉妹喧嘩に悩まされつつ美術部の事件を解明する第三話「放課後、はさまれる、ひっくり返る」


 左右の席を双子少女にはさまれた、あわただしく落ち着かず、でも不思議と居心地は悪くない日常。そこに投げ込まれる、平凡なようで奇態な事件の数々。
 少年と双子少女の日常謎解きストーリー。名探偵に愛を込め、しかし揚がる名もなき「無名探偵、登場」です。




 玩具堂なりの「探偵小説」を描いた本作。
 既刊で言うと『子ひつじは迷わない』シリーズに近い内容ですが、より「日常シチュエーションコメディ」であり「お手軽ミステリ」であることを意識した一作です。
 身構えず、読み疲れせずに楽しめる連作短編を目指しました。
 イラストは悠理なゆた先生。繊細で優美な挿絵を提供していただきました。雪音が特に可愛い。

 読んだ後で他のミステリー作品を読みたくなったり、興味が出たりしてくださればこの上ない幸いです……(拝)


《オーディオドラマ》
 販促用に youtube で公開されているオーディオドラマです。

@2020/5/1公開:「しりとり跡を濁さず」 (←youtube へのリンク)
−台本(PDFファイル)
 ステイホームにちなんで、家の中でできる遊び(しりとり)というお題をいただいて書いた掌編です。
 声に聞き惚れて内容が追えない、という方は台本も読んでみてください。
 本編に先駆けての公開ですが、メイン3人のバランスは大体こんな感じです。

 拙い台本から訴求力を引き出す声優陣の好演に感激です……! 雨恵がウザ可愛い!


A2020/5/21公開:「校内写生地獄変」
(←youtube へのリンク)
−台本(PDFファイル)
 いろんな意味でヒドい話ですが、3人組の関係を端的に表しているかもしれません。
 なんだかんだ姉を止めずに見てる雪音……

 今回も、短い台本から的確にニュアンスを引き出して下さった声優陣に感服です。




ガングドー2020
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