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今日も彼女と"溜息"のオカルト研究会 The Occult Club with Unknown Girl and a Sigh or: The Insomnia of Reason Kills Monsters
書籍96ページ分 試し読み(マイナビ出版さんのnote) 久青玩具堂の偏愛作品10選(マイナビ出版さんのnote) ホンモノの 「頼むよ 別れたカノジョが学校のオカルト研究会に入って、自分に呪いをかけようとしているというのだ。臆病な高野に拝み倒されて、境太郎はオカルト研究会の実態を探るべく部室を訪ねる。 そこで彼は、自分よりも強烈な眼力を持つ少女に出会った。 彼女の名は 「おっ、オカルトに、興味があるんだね? ジャンルはなにかな? 妖怪? 宇宙人? 地方の因習? それともAIの不可思議な挙動? バックドアとかリミナルスペースとかはあんまり詳しくないけど、興味があるならもちろん取り扱うし……あっ、創作怪談は研究の対象外なんだけど考察のとっかかりとしてはありだし遠慮しないで――」 入部希望者と間違われ思わぬ歓待を受けた境太郎は、見学と称して研究会のフィールドワークに同行することになる。 それは、学内のネット掲示板に寄せられた怪談話が「ホンモノ」か否か、知恵を尽くして検証するオカ研の主活動だった。 「ひ、ひひ……ひっ。 きっと……なにかには出会えるよ。あたしは、歩けば棒に当たる犬だからね」 天狗に友人をさらわれたという少年の手記を読み解く「天狗の怪」 男たちの局部を幾度となく切って落としたという妖刀、その呪いの正体を考察する「羅切丸の怪」 奇妙な構造と来歴を持ち、住む者を翻弄した怪建築の真意をひもとく「両喜亭の怪」 オカルト研究会に寄せられた3つの怪奇譚。そしてそれを検証する部員たちの奮闘。 理世はなぜホンモノの怪談を探し求め、謎を解くたびに溜息を吐くのか。ついでに高野は呪われてしまうのか。 奇妙でユーモラスな連作ミステリです。 ![]() 本作のこだわり……というほどでもない、どうでもいいようなポイントについて解説します。 (主にネーミングについて) 登場人物の名前について 主人公の 加賀見は最初、加賀見 本編は特に泉鏡花から取材しているわけではなく、怪奇譚の伴走者として名前を拝借させていただきました。 境太郎の友人・ ちなみに泉鏡花の作品で個人的に一番コワかったのは「化銀杏」です。 ヒロインの 「うつ(現/虚/全)」の「機(はた=メカニズム)」の意に読める単語を選びました。 理世は本編にも出てくる銅版画『理性の眠りは怪物を生む』から。 正体未詳のヒロインです。 理世の黄色いレインウェアについて 劇中での私服が雨着だったり黄色かったりの理由は本文にある通りですが、メタなイメージ元は1976年のスリラー映画『アリス・スウィート・アリス』からです。 と言っても、宇都機先輩は邪悪な存在ではないのであしからず! 第三話の舞台となる建築物「両喜亭」について 実在した昭和初期の特異建築物「二笑亭」を(わりと露骨に)モデルにしています。 二笑亭についてはネット上に解説しているサイトが結構あるので、興味がある方は調べてみてください。 作中の ファーストフード店の名前について 第三話に出てくるファーストフード店「クローネンバーガー」。 クローネンバーガーって言いたかっただけです。 なんかねっちょりした肉が出てくる。 |